コラム

 公開日: 2016-09-10 

法人契約の場合の電力会社との契約区分

前回の記事では、電力自由化のメリット、デメリットを解説しました。電力自由化は、法人にとって固定経費である電力料金の引き下げに寄与するケースがあるものの、解約違約金が発生する場合もあり、慎重に検討する必要があります。

電力には圧力区分があり、法人が契約対象となるのは「高圧」と「特別高圧」です。そして、この圧力区分によって料金プランや契約形態も変わってきます。電力会社を切り替える場合、どのようなことに注意するべきでしょうか。

法人契約は契約プランにより電力料金の引き下げが可能となる

法人契約と言っても、業態によって契約形態は異なります。前述した通り、法人が契約対象となるのは「高圧」と「特別高圧」ですが、「高圧」は500KWを境に業態が変わります。

500KW未満の場合は、小規模なオフィスビル、食品スーパーなどが対象となり、500KW以上になると大規模ショッピングセンターや工場などが該当します。「特別高圧」は、大型ショッピングモールや広い敷地を持つ工場などが当てはまります。

ひと口に工場と言っても、24時間稼働する工場と昼間だけ稼働する工場では電力使用量も契約形態も変わってきます。
例えば、前者の場合は、毎日大量の電力を使うだけに電力会社との交渉をスムースに進めることができるでしょう。それに、一般的に夜間の電力は安く購入できるケースが多く、さらなる電力料金の引き下げが可能となるかもしれません。

後者の場合は、日中だけ電力を使用するプランに切り替えることによって電力料金の引き下げが可能となるでしょう。

いずれにしても法人契約の場合、電力の使用時間帯によって料金プランが異なるケースが大半です。自社に合ったプランが選択できるよう、多くの電力会社から話を聞くべきです。

法人契約では電気を使用する時間帯によって契約内容が異なる

ここからは「契約電力500KW未満のケース」と「契約電力500KW以上のケース」を中心に、法人契約の内容について解説します。なお、この記事では、東京電力を例にとって説明しています。

まず押さえておきたいのは、契約電力問わず2種類の契約プランがあることです。ひとつは「業務用季節別時間帯別電力」で、もうひとつは「業務用電力」です。
前者は、文字通り、季節や時間帯によって電気料金が異なるプランです。後者は、平日の昼間に電力使用量が多い企業にとって有利なプランです。

まず「契約電力500KW未満のケース」です。ビルや商店、百貨店、スーパーなどが該当します。契約電力は、当月を含む過去一年間の各月の「最大需要電力」のうち最も大きい値になります。「最大需要電力」とは、30分ごとの平均使用電力のうち、月間で最も大きい値のことです。これを「実量制契約」と呼びます。

「最大需要電力」を契約電力とするのは、停電を防ぐためです。

夏場「最大需要電力」が2kWだというオフィスがあったとしましょう。もし1kWで契約していた場合は、当然のことながら停電してしまいます。このような事態を避けるために、契約では「最大需要電力」が用いられるわけです。「最大需要電力」での契約に加えて「業務用季節別時間帯別電力」や「業務用電力」を組み合わせることによって、電気料金の引き下げが可能となります。

次に「契約電力500KW以上のケース」です。この契約電力に該当するのは、工場が多いでしょう。この場合は電力会社と個別に協議し、決めることになります。

ここでも「契約電力500KW未満のケース」と同様、「業務用季節別時間帯別電力」や「業務用電力」があり、詳細に検討する必要があるでしょう。

ここでも注意したいのは、一度電気料金プランを決めると、なかなか変更できないこと。例えば、自社で電気設備を所有しており、契約変更により改修が必要な場合は、改修コストがかかるケースもあります。また、契約開始から一定期間が経過していない場合は、別途切り替え費用が発生する可能性もあるので注意しましょう。

電力自由化により参入企業が増加、法人にとっても選択肢が増える結果に

今回の電力自由化は、個人や商店など「低圧」区分に焦点が当たったものでしたが、大手電力会社にとってドル箱であったこれらの顧客が開放されたことで、電力小売会社の数は急増しました。

このなかには、もちろん法人向けに電力販売を行っている会社も数多く存在します。個人向けに電力自由化が行われたことにより、電力市場に競争がもたらされ、法人にとっても契約先の選択肢が増えたことは歓迎すべきでしょう。

しかし、喜んでばかりもいられません。というのも、「新電力」ほか電力小売会社が増えたことで、電力プランが複雑化しているからです。前述した通り、500KWを境に契約形態が異なるほか、「業務用季節別時間帯別電力」や「業務用電力」の存在など契約にあたり覚えておくべきことがたくさんあります。

一度契約を変更すると、その後不満を覚えても切り替えることが難しいのが実情です。電力契約は専門知識が必要なものです。電力会社が提案するプランを鵜呑みにせず、専門家に意見を聞きながら、自社で見抜く力も必要でしょう。

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