コラム

 公開日: 2016-09-19 

新電力(PPS)はなぜ安い?2つの理由

電力自由化において重要な役割を果たすのが、新電力(PPS)と呼ばれる新電力会社です。彼らが登場したことによって、私たちは安く電力を購入できるようになりました。

でも、なぜ安くなったのでしょうか?
電気料金が下がる理由は主にふたつあります。この記事では、その理由を簡単に説明します。

新電力は電気事業法改正により生まれた新規参入業者

その前に、まず新電力(PPS)は、どのような存在であるか、再度説明をしておきましょう。新電力(PPS)とは、地域電力会社、例えば東京電力や東北電力などの一般電気事業者とは別の「特定規模電気事業者」のことを意味します。

新電力(PPS)は、工場の余剰電力を活用したり、お金のかからない方法で自家発電を行うなどして電気を安価に供給する電力事業者です。彼らがいるからこそ、私たちは電気を安価に購入できるわけです。これまでの幾多に渡る電気事業法改正により、登場した新規参入組のことだと理解すれば早いかもしれません。

なぜ安い?新電力が供給する電気が安価な理由とは

では、ここからは新電力(PPS)の電気料金がなぜ安いか、その理由について考えていきましょう。

主な理由はふたつあります。一つ目は「設備投資コストが安い」ことです。東京電力や東北電力などの地域電力会社の場合、安定して電力を供給するために、発電施設などに対して莫大な設備投資を行う必要があります。また、修繕費や維持費なども別途かかってくるため、電気を供給するコストがかなり高いのです。

電気を安定して供給するコストは、私たちの電気料金に跳ね返ってきます。そのため、電気料金は高く設定されていたのです。それに、地域電力会社に勤務する社員の給料は高額であることも知られ、こうした人件費も電気料金に間接的にでも影響を与えていたものと思われます。

しかし、新電力(PPS)の場合は、前述の通り、工場の余剰電力やお金のかからない方法で自家発電を行うため、設備投資コストを抑えることができます。そのため、地域電力会社と比較して安価に電力を供給することができるのです。

地域電力会社と新電力では電気供給に対する立場が異なる

二つ目は地域電力会社と新電力の「存在意義が異なる」ことです。地域電力会社は、これまでの長い歴史のなかで、「電力の安定供給」に重きを置いてきました。つまり、地域電力会社は、地域の電力需給について大きな責任を持っていたわけです。

ですから、地域電力会社は、公務員的な扱いをされることもしばしばあります。電気は生活に必要なインフラです。そのため、多少は高い電気料金を設定していても、「電力の安定供給」に資するなら、それは問題ないと考えている人がこれまで多かったようです。

一方の新電力(PPS)ですが、もちろん「電力の安定供給」に責任は持っているものの、それは自分たちの顧客が対象です。地域電力会社の場合は、地域の需要家すべてに電力を安定供給する責任を持っており、万が一問題が起きたときには、それに対して補償をすることも必要になってきます。

東日本大震災では、原発事故に対して東京電力が大きな責任を負いました。当時は、新電力(PPS)による電力小売りが自由化されていなかったのですが、この事故をきっかけにして地域電力会社の「電力の安定供給」がクローズアップされたことは事実です。

新電力がたとえ倒産したとしても、電力は安定供給される

ここまで、新電力(PPS)が電力を安価に供給できる理由を説明しました。この記事を読んだ人のなかには、「電気が安く買えるのは助かるが、新電力(PPS)から電気を購入すると、電力供給が安定しないのでは」と考えた人もいるかもしれません。

そういった質問をよく受けるのですが、結論から言えばその心配はありません。電力は、電線を通して送電されるもので、この電線を、新電力(PPS)を含む多数の電力供給会社が利用しているのです。

もしあなたが契約している新電力(PPS)の電力供給が止まったとしても、別の電力会社が送電する仕組みとなっています。すべての電力供給会社が同じ電線を使っているため、送電網は変わりません。それに、前回説明した通り、広域機関など電力の需給調整を行う仕組みも整っているため、停電の心配はないと断言できます。

契約している新電力(PPS)が倒産した場合、電気が供給されないのではないか、と心配している人もいます。その場合は、消費者保護の観点からほかの電力会社から電気が供給されるシステムとなっています。電力供給先が変化するため、一時的に電気料金が変わるくらいしか影響はないでしょう。

電力自由化により、新電力(PPS)から安価な電力を購入できるようになりました。安価なだけでなく停電の心配もないとなれば、「利用しなければ損」と思う人が出てきてもいいかもしれません。自分自身で検討できない場合は、専門家の意見を聞くのも手です。

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