コラム

 公開日: 2016-10-08 

ホテルの光熱費を削減するための効果的な対策

ホテルの節電対策は、空調と照明がメインですが、ホテル特有の難しさがあります。

エアコンの設定温度を28度にしたいと考えていても、客が温度調整を行ってしまうケースもあるためです。つまり、実行できる節電対策に限りが出てしまうのです。

この記事では、ホテルにおける節電対策について説明します。

ホテルはエアコン付きの客室が多いだけに節電対策が難しい

節電対策を考える前に、まずホテルの消費電力の内訳について確認しておきましょう。資源エネルギー庁の資料によると、消費電力の全体のうち、空調が約26%、照明が約31%を占めています。

もちろん、ホテルの規模やつくりによって消費電力の内訳は若干異なるものの、空調と照明の節電が重要だと気づきます。とはいえ、ホテルはお客さまあってこその商売であり、快適な環境を提供することがリピートにつながります。

客室を中心にエアコンなど空調の温度調整をしっかりと行いたいものですが、なかなか難しいのが実態でしょう。そのうえで、ホテルにおいて節電対策を実行するにはどのようなことに注意すべきでしょうか。

ホテルの営業形態によって光熱費は大きく異なる

ひと口にホテルといっても、さまざまな営業形態があります。

大別すると3つになるでしょう。

ひとつは「観光ホテル」です。温泉やレジャー施設などを併設しているホテルで、客室数が非常に多いことから消費電力もそれに比例して多くなっています。

温泉地にある観光ホテルの場合、早い時間にチェックインする宿泊客もおり、部屋の滞在時間が長くなり電気代がかさむ傾向にあります。宿泊するお客さんのなかには、4泊、5泊と長期滞在するケースもあります。

また、法人需要などに対応して、各種宴会プランを設けている観光ホテルも多いでしょう。この場合、大広間や朝食会場などを別途稼働させる必要があります。そのため、通常より電気代がかかることもあります。

次に「ビジネスホテル」です。観光ホテルとは異なり、素泊まりのお客さんが多い傾向にあります。チェックインの時間も遅く、比較的電気代がかからないタイプのホテルです。とはいえ、宿泊代が安いケースが多いため、節電対策を図ることで少しでも利益を上積みしたいものです。

最後に「旅館および民宿」です。観光ホテルやビジネスホテルと異なり、個人経営がメインとなっています。ホテルとは立ち位置が違うとはいえ、各部屋にはエアコンを完備する必要があります。夏期などは、エアコンの使用時間も長くなり、電気代が経営を圧迫する要因になる可能性もあります。

空調や照明の節電を図ることで電気代を削減する

電気代を削減するため、どのような対策が考えられるでしょうか。

まずは空調から見ていきましょう。空調で節電を図るための基本策は「日射遮蔽」と「清掃」です。日射を遮るためにブラインドや遮熱フィルム、ひさし、すだれなどを活用するとよいでしょう。

また、エアコンのフィルター清掃も行いましょう。汚れで目詰まりしたフィルターは圧力損失が大きく、エネルギーの無駄になってしまいます。

それから、室内機や室外機周辺の障害物を撤去することも気軽に行える節電対策です。空調の換気口や吹き出し口に障害物があると空気の流れが遮られ、空調効率が低下します。

冷気が漏れないよう、搬入口やバックヤードの扉を確実に閉めることも重要です。ロビーや廊下、事務室など客室以外の場所の温度は28度をベースにし、こまめにエアコンの温度を調整することも効果的でしょう。

次に照明の節電対策について見ていきましょう。不要な照明は必ず消灯する、照明器具をこまめに清掃する、といったことを心がけましょう。清掃は案外バカにできないもので、清掃によって照度が向上した分、照明を間引きすれば節電につながります。

懐と相談しながら、従来型蛍光灯から高効率蛍光灯やLED照明に交換するのも良いでしょう。従来型蛍光灯からLED照明に交換した場合は、約40%もの電力を節約できという試算もあります。

宴会場の準備や片付けの際には、一般照明のみを点灯するよう心がけ、シャンデリアは消灯しましょう。

空調や照明以外の節電対策も考えておきましょう。閑散期などは、エレベーターの運転台数を減らし、給湯循環ポンプの流量削減を行うのもよいでしょう。客室冷蔵庫のスイッチは切った状態にしておくのも良いでしょう。

ここまで、さまざまな節電対策についてご紹介してきましたが、実際に対策を行うのはホテルの従業員です。従業員に節電対策の重要性を啓蒙し、節電を励行するよう教育することも重要です。

ホテル内に、節電を励行している旨の張り紙をするのも効果的です。というのも、節電に対する意識は高まっているので、従業員だけでなく宿泊客も節電を実行してくれる可能性があるからです。

いずれにしても、節電は日頃の積み重ねが大切です。支配人ほか責任者が中心となり、節電担当者を任命するなどして対応しましょう。

この記事を書いたプロ

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電気工事士 降矢健一

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