コラム

 公開日: 2016-06-22  最終更新日: 2016-07-15

単元2 介護保険の変遷 (措置制度から契約制度への変換)

*介護保険制度前後の状況
介護保険施行前   1997年 介護保険法公布 ①老人福祉制度②老人医療制度
介護保険施行後   2000年~2006 年  制度創設のねらい
              2000年~2003年 1期    2003年~2006年 2期
予防重視型      2006年~2012年
              2006年~2009年 3期    2009年~2012年 4期
地域包括ケア     2012年~現在
             2012年~2015年  5期    2015年~ 現在はここ  
     
:介護保険施工前  
 「老人福祉法にに基づく老人福祉制度」と「老人保健法に基づく老人医療制度」の2つの制度で
 対応していた。
 ①老人福祉制度  措置制度による運営
              問題点1)サービス利用は権利ではなく、保証が十分ではない。
                  2)市町村がサービスを決定するので、利用者が選択しにくい。
                  3)応能負担のため、所得調査を伴う。
                  4)民間企業の参入がしにくく、競争原理が働かない。
 ②老人医療制度  保険による運営
              問題点1)介護施設の整備が十分でないので、社会入院が増えた。
                   2)1人当たりの居室面積が狭いなど、療養環境が不十分。

:介護保険施行(2000年)
 制度創設の狙い
 1)社会保険方式の導入
 2)「利用者本位」のサービス提供
 3)医療保険制度から「介護」の部分を切り離して社会的入院を解消
 4)ケアマネジメントを制度化→利用者の立場を重視
 5)民間活力の活用

:介護保険制度の見直し(2005年改正)
 1)予防重視型システム・新予防給付、地域支援事業の創設
 2)施設給付の見直し・食費と居住費を自己負担に
 3)新たなサービス体系の確立・地域密着型サービス、地域包括支援センターの創設
 4)サービスの質の向上・介護サービス情報の公表制度、事業者規制の強化
               ・更新制の導入ケアマネジメントの見直し

:介護保険制度の見直し(2011年改正)
 1)医療と介護の連携の強化等
  ・定期巡回、随時対応型訪問介護看護や複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)を創設
  ・介護予防、日常生活支援総合事業を創設
 2)介護保険事業計画
  ・日常生活圏域ごとに地域ニーズや課題の把握を踏まえた介護保険事業計画を策定
  ・介護保険事業計画において地域の実情に応じた認知症支援策を盛り込む
 3)高齢者の住まい
  ・有料老人ホームの権利金の受領を禁止
 4)認知症対策
  ・市民後見人の育成および活用など、市町村における高齢者の権利擁護を推進

:介護保険制度の見直し(2014年改正)
1)介護保険事業計画
  ・市町村介護保険事業計画について、介護給付対象サービスの量、費用の額、保険料の水準等に
   関する中期的な推計を記載するように努めるものとするはか、市町村計画と整合性の確保が図られ
   たものでなければならない。
  ・都道府県介護保険事業支援計画について、都道府県計画及び医療計画と整合性の確保が図ら
   れたものでなければならない。
 2)地域支援事業の見直し
  ・新しい介護予防・日常生活支援総合事業の実施(2015年~2017年までに実施)
  ・包括的支援事業に次の事業を追加し、2017年4月までに実施
    ①在宅医療・介護の連携を推進する事業
    ②生活支援サービスの体制を整備する事業
    ③認知症施策を推進する事業
 3)地域ケア会議
  ・市町村は、適切な支援の検討会を行うために、介護支援専門員、保険医療及び福祉に関する専門
   的知識を有する者、その他の関係者により構成される会議を置くように努めるものとする
 4)施設サービス等の見直し
  ・介護老人福祉施設に係る給付対象は、原則要介護3以上に限定される。居宅において日常生活を
   営むことが困難な要介護1・2は、特例入所が認められる。
  ・サービス付き高齢者向け住宅を住所地特例の対象者とする。
 5)費用負担の見直し
  ・介護給付及び予防給付について、一定以上の所得がある第1号被保険者の利用者負担を2割とする
  ・特定入所者介護サービス費の支給要件について、所得のほか、資産の状況も勘案する
 6)居宅サービス等の見直し
  ・介護予防通所介護と介護予防訪問介護を介護予防から外し、2017年度までに総合事業の訪問型
   事業、通所型事業に移行する
  ・通所介護のうち、利用者が18人以下については、地域密着型通所介護として地域密着型サービスに
   位置付ける。
  ・指定居宅介護支援事業者の指定を等を市町村が実施する(2018年4月施行)

過去問でチェック
問題3  2011(平成23年)の介護保険制度改正について正しいものはどれか。2つ選べ。「2013年」
1・ 介護予防を廃止し、地域支援事業に移行した。
2・ 事業者の指定更新制を導入した。
3・ 複合型サービスを創設した。
4・ 施設サービスの一環として、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を創設した。
5・ 地域支援事業として、介護予防・日常生活支援総合事業を創設し
                                      解     答     3・5 
  解  説1・× 介護予防は廃止されていない。
        2・× 「2005年」改正で導入された。
        4・× 「地域密着型サービス」の一環として創設された。 


問題4  介護保険制度以前の高齢者介護に関する制度の問題として指摘されていたことについて正しい
      ものはどれか。2つ選べ。「2010年」
1・ 特別養護老人ホームの利用者負担が一律で、病院に入院するより安かったため、入所待機者を激増
   させた。
2・ 社会的入院が増加し、一般病院の生活機能が充実した結果、特別養護老人ホームが不要になった
3・ 措置制度で行われていた老人福祉制度によるサービスでは、利用者が自由にサービスを選択出来なか
   った。
4・ 措置制度で行われていた老人福祉制度によるサービスでは、競争原理が働かず、サービス内容が画一
   的になりがちであった。
5・ 老人保険制度による訪問看護は、病院だけではなく市町村の窓口に申請しなければならないため、利
   用しにくかった。
                                        解     答    3・4
   解  説 1・× 病院の方が安かったため社会的入院が増加した。
         2・× 一般病院の生活機能は充実していなかった。
         5・× 訪問看護は、医療機関に申請する仕組みである。


予想問題でチェック  「介護保険制度の見直し」問題
問題1  2014((平成26)年の介護保険制度改正について正しいものはどれか。3つ選べ。
1・ 居宅介護支援事業者の指定権限が2018(平成30)年より市町村に委譲される事となった。
2・ 小規模通所介護が地域密着型サービスへ移行された。
3・ 特定施設入居者生活介護の入居条件が要介護3以上となった。
4・ 「地域包括ケアシステム」の構築を目的に、医療法など多くの法律と一括で改正が行われた。
5・ 複合型サービスが創設された。
                                         解  答   1・2・4
解  説 3・× 入所要件が要介護3以上になったのは介護老人福祉施設である。
      5・× 複合型サービスが創設されたのは、2011(平成23)年の制度改正時である。
          2014(平成26)年度の改正で名称が、看護小規模多機能居宅介護となった。

問題2  2014(平成26)年の介護保険制度改正について正しいものは2つ選べ。
1・ 特定入所者介護サービス費の所得段階について、年金所得の2分の1を所得とみなし、より多くの
   高齢者が対象となる措置を講じた。
2・ 介護保険施設を地域密着型サービスへ移行させ、より身近な市町村による指定・指導・監督を可
   能にした。
3・ 市町村は、2018(平成30)年3月までに小規模多機能居宅介護を地域支援事業へ移行する。
4・ 地域ケア会議の設置を介護保険法に位置づけた。
5・ 所得により、第1号被保険者の利用者負担を2割とすることとした。
                                         解  答   4・5
解  説 1・× 年金所得以外に一定の預貯金(1人1,000万円以上)の資産を含めて判断。
      2・× 選択肢のような同行はない。介護療養型医療施設は、2012(平成24)年以降は、
          新規指定はされず廃止の方向に向かっている。
      3・× 地域支援事業に移行するのは、介護予防通所介護と介護予防訪問介護である。

問題3  2014(平成26)年の介護保険制度改正について正しいものはどれか。3つ選べ。
1・ 要支援者が、住所地特例により他の市町村の有料老人ホームに入居している場合、介護予防
   マネジメントは、当該施設が所在する市町村が指定した地域包括支援センターが行う。
2・ 低所得者の配慮から、第2号被保険者の所得段階区分原則9段階へ細分化した。
3・ 認知症初期集中支援チームについて、各市町村は、2018(平成30)年3月末までに設置・開始
   することになった。
4・ 2015(平成27)年1月に「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)が策定され、施設ケア
   の充実による収容主義的思想が重視された。
5・ 保険給付の5割の公費に加えて別枠で公費を投入し、低所得者の第1号被保険者にかかる保険
   料の軽減割合を拡大した。
                                          解  答  1・3・5・
解  説 2・× 原則9段階へ細分化されたのは、第1号被保険者の所得段階区分である。
      4・× 認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)は、認知症の方が出来る限り住み慣れ
          た地域のの良い環境で自分らしく暮らし続けられる社会の実現を目指している。

 
 




   



















 
 

   

 




 







 
 

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