コラム

 公開日: 2016-11-02 

人間と社会の領域 ②人間関係とコミュニケーション

2・ 人間関係とコミュニケーション  2問
1)介護では、利用者、家族、他職種とのコミュニケーションが不可欠。人間関係の築き方とコミュニケーシ
 ョンの基礎を理解しましょう。
2)利用者や家族とのかかわり方や言葉かけのポイントを学びます。
3)表情や身振り手振りなども大です。

2-1 人間関係の形成
■人間関係の形成に必要なもの
用語説明
・先入観・・・前もってつくられた固定的な観念
・受容・・・相手をそのまま受け入れること
・共感・・・相手の感情を把握し、寄り添うこと
・ラポール・・・相手の感情に関心を持ち、心が通じ合い、互いに信頼して、相手を受け入れている状態
1)自己覚知
 自分の考え方や価値観、感情などについて、客観的に理解すること。介護福祉職は、先入観や思い込
 みを持って利用者に接することがないよう、自分自身の価値観や感情を認識していなければならない。
2)受容と共感
 良質な人間関係(ラポール)を築くために必要な、コミュニケーションの基本には、受容と共感である。
 先入観をや印象に基づく判断、感情的なこだわりを持たないことが大切である。
頻出問題事項・・・受容と共感の大切さ

理解度○×チェック
1・コミュニケーションの基本として、自分自身の感情に気付くことが大切である。
 24回ー34問     解答・○
2・コミュニケーションの基本として、相手の感情が出にくい時は次々と話しかける。
 24回ー34問     解答・×     解説・相手の言葉を待つことも大事
3・自己覚知のために、最も重視するものは、自分中心ではなく他者中心に考えることである。
 26回ー3問     解答・×     解説・自分の感情の動きとその背景を洞察すること。
4・ラポール形成の初期段階のかかわりでは、利用者の感情に関心を持つ。
 27回ー3問     解答・○

2-2 コミュニケーションの基礎
■コミュニケーションとは
 コミュニケーションは、受信・応答する相手がいなければ成立しません。
用語説明・・頻出事項(非言語的伝達媒体のはたらき)
・言語的伝達媒体
 言語の事。直接の会話以外に、電話・手紙・メール・手話なども含まれる。
・非言語的伝達媒体
 表情や身振り・視線・服装などの身体的な動きや外見、うなり声など言語とは言えない発声も含んだ
 伝達媒体のこと。
1)コミュニケーションの定義
 コミュニケーションは、「複数の人間や動物が、意思・感情、情報などの伝達を行うこと」などと定義してい
 る。一方通行の情報発信では、コミュニケーションコミュニケーションは、が成立しているとは言えない。また
 伝達媒体(記号)を使うことにより、コミュニケーションは成立する。
2)コミュニケーションに必要なもの
 コミュニケーションは、言語的伝達媒体と非言語的伝達媒体を使って行われる。非言語的伝達媒体は、
 発信者が無意識のうちに発信することも多く、また、文字の書き振りや声の高さなど、言語に付随した
 非言語的伝達媒体もある。
3)「聞き上手」になる。
 ①相手が話したがっているときは、話の腰を折らない。②表情を豊かに聞く。③適度な相槌を打つなどの
 配慮が必要である。また、非言語的伝達媒体にも十分注意を払わなければならない。
4)非言語的コミュニケーションの重要性
 認知症や失語症、知的障害などのため、言語による表現が困難な人の場合は、非言語的伝達媒体よ
 る非言語的コミュニケーションを含めて相手が伝えたいこと理解する必要があります。
 また、真意を伝えにくい状況にある相手とのコミュニケーションの手段としても有効である。

■対人距離とコミュニケーションの技法
用語説明
・親密距離・・ごく親しい間柄の人同士の距離。 約45㎝以内
・個人的親距離・・友人や親しい人と会話ができる距離。 .約45~120㎝
1)対人距離
 対人距離には、物理的距離と心理的距離がある。相手との距離の取り方(物理的距離)は、相手に対
 する対する関心や気持ちの度合い(心理的距離)と関連して伸縮する。
 物理的距離には、親密距離と個人的距離の2種類ある。
2)コミュニケーションに関する技法
 姿勢やしぐさなどの身体反応や、顔の表情、身だしなみなどの非言語的伝達媒体が、意図しないメッセ
 ージを利用者に伝えることもあるので、注意が必要です。また、会話の際は、目線が利用者と同じ高さに
 なることも大切である。
 *座り方
 ・対面法・・・利用者と向かい合って座る。
         視線を向けることのできる花瓶などを、相手との間に置く。
 ・直角法・・・斜め45度に座る。
         自然なアイコンタクトが可能になる。良好な関係を築くためには、対面法より直角法の方が
         よい
 *傾聴的な態度
  話を誘導するのではなく、うなずいたり、穏やかなまなざしを送ったりするなど、傾聴的な態度を示すこ
  とで、相手が話しやすい。
 *反射
  反射とは、利用者の言葉を繰り返すこと。言 葉の中の感情を反射することを「感情の反射」という。ま
  た、さらに踏み込んで感情を明確にすることを「感情の明確化」という。
 *共感的理解
  自分があたかも利用者であるようなつもりで、相手の状況や言葉を理解することをいう。
 *接触
  身体への接触は、共感やいたわりを表現する一方で、不快感を与えてしまう恐れがある。
  むやみに触れるのは避ける。
3)家族とのコミュニケーション
 家族とのコミュニケーションで最も大切なことは、家族を思いやり、苦労をねぎらい、相手を否定しない
 ことである。

理解度○×チェック
1・対人援助関係におけるコミュニケーションの基本として、一方的な意思表示はしない。
  第24回ー3問     解答・○
2・利用者の家族(介護者)に対して、介護の大変さからくる感情に共感し、そのことを伝える。
  第26回ー40問     解答・○
3・利用者との関係をつくる座り方として、直角法より対面法のほうが有効である。
  第25回ー3問    解答・×   解説・~より~という用語は対外×になる。直角法が有効。


第26回人間関係とコミュニケーション 過去問題  2問
問題3 自己覚知のために、最も重視するものを1つ選びなさい。
1・自分の感情の動きとその背景を洞察する。
2・自分の将来の目標を設定する。
3・自分中心ではなく、他者中心に考える。
4・自分を肯定的にとらえる。
5・自分の価値観にこうどうす基づいて行動する。
                                               解   答 1
  解   説 1・○
  自己覚知とは、自己の価値観や感情等について、客観的に理解することである。利用者に対して
  先入観を持つことのないよう、援助においては、自己の能力、性格及び個性を知り、感情や態度を
  意識的にコントロールすることが求められる。援助者が自分の見方を押し付けたり、社会的基準に
  照らした判定にすがるような誤りを回避することができるよう、スーパービジョン等を通じて自らの価値
  観を検討したり、他者とのコミュニケーションを通じて自己認識を深め、相手の価値観や立場を認め
  ることにつなげていくことが肝要である。

問題4 Bさん(85歳、女性)は認知症がある。ショートステイを1週間利用することになった。1日目の夕
 方介護職が忙しい時間帯に、Bさんは何回も「私はここにいていいの」と繰り返し尋ねた。
 介護職員の最初の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
1・「どこに行きたいですのですか」
2・「後でゆっくり聞きますね」
3・「同じことを何度も聞かないでください」
4・「ここにいてくださっていいですよ」
5・「ここにじっとしていてください」
                                                  解   答 4
  解   説 4・○
  Bさんは何回も、「私はここにいていいの」と繰り返し尋ねていた。この発言から、Bさんが不安な気持ち
  になっていたことは容易に感じ取れるものである。したがって、介護職が「ここにいてくださっていいです
  よ」と言葉をかけることは、Bさんの安心につながり、承認の欲求に答えることになる。



































































                            
 

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