コラム

 公開日: 2016-12-30 

介護の領域 6・生活支援技術 その3

1ケ月後に本試験が迫ってきました。今回で今年最後のコラムとなります。受験生にとって
正月は受検後かと思いますが、体調管理を万全にして、本試験まで頑張りましょう!

6-6 自立に向けた入浴・清潔保持の介護
■入浴・清拭の意義と目的
1)入浴や清拭の際は、利用者のプライバシーや羞恥心に配慮が必要です。
2)利用者の状況に応じて、清潔保持の方法も変えていく。入浴・シャワー浴・部分浴・清拭
■入浴・シャワー浴   頻出項目! 利用者の状況に応じた入浴介助の注意点
1)入浴前:ヒートショック予防として、脱衣室と浴室の温度差がないようにする(22℃前後)
2)入浴中:①床のぬめりによる転倒に注意 ②湯につかる時間は5分程度とする。 ③抹消から中枢に
  向かって洗う。 ④必要に応じて、シャワーチェアーやバスボードなどの福祉用具を活用する。
3)入浴後:水分を補給する。
4)片麻痺の利用者の入浴介助:①介助は原則、患側から行う。 ②浴槽への出入り:利用者は健側か
  ら浴槽に入る。③浴槽から出る時は、一度浴槽の縁やバスボードに座ってもらう。
5)高血圧・心疾患がある利用者の入浴介助:①浴槽の水位は、心臓より下にして、半身浴にする。
6)老人性皮膚掻痒症(老化による皮膚が乾燥して、かゆみが生じる状態)の利用者の入浴介助:
 ①ぬるめの湯(37~39℃)の湯で、弱酸性の石鹸を使用し、皮膚をこすらないようにする。
7)人工肛門(消化管ストーマ)のある利用者の入浴介助:入浴が可能。回腸ストーマの場合は、食後1
  時間以内の入浴は避ける。
8)血液透析の利用者の入浴介助:①血液透析直後の入浴は控える。
9)埋込式ペースメーカーの利用者の入浴介助:①通常の入浴が可能。半身浴にする必要はないが、心
  臓に負担をかけないように、長湯と高温は避ける。
■手浴・足浴
1)手浴・足浴の際には、皮膚や爪の状態をきちんと確認する。
2)足浴の効果:①安眠効果 ②循環促進効果
■洗髪:①シャンプーを泡立ててから頭皮を洗おう ②洗髪以外の方法(①オイルシャンプー ②ドライシャ
  ンプー(湯と石鹸を使用しないシャンプー・ブラッシング後にドライシャンプー剤をしみこませる)
■清拭
 ①全身清拭:湯の温度55~60℃ 爽快感が得られる。 顔→上肢→体幹→下肢→臀部・陰部の順
  (プライバシーに保護して行いましょう) 目:目がしらから目尻に向けて拭く 四肢:抹消から中枢に向
  かって拭く(縟瘡が出ているところは、絶対に清拭をしてはいけない)  体幹:清拭の前後で、利用者
  の様子に変化がないか気をつける。
 ②陰部清拭:女性の陰部は、感染予防のため前から後ろ(恥骨から肛門の方向)に拭く。

理解度○×チェック
1・右片麻痺があり一部介助があれば歩行できる利用者の入浴介助の際、浴槽から出る時は、浴槽の縁
  やバスボードにいったん座ってもらう。
  第26回ー51問     解答・〇
2・消化管ストーマを増設している人は、公衆浴場の利用は避ける。
  第28回ー52問     解答・×     解説・公衆浴場も利用できる
3・血液透析を受けている人は、透析直後の入浴は控える。
  第27回ー52問     解答・〇
4・埋込式ペースメーカーを装着している人は、シャワー浴にする。
  第27回ー52問     解答・×     解説・シャワー浴にする必要はない
5・足浴は、眠気がとれて覚醒する。
  第26回ー52問     解答・×     解説・安眠効果が得られる
6・女性の陰部清拭は肛門から恥骨の方向に拭く。
  第24回ー56問     解答・×     解説・恥骨から肛門の方向に拭く

6-7 自立に向けた排泄の介護
■排泄の意義と目的
1)尊厳の保持や羞恥心への配慮からも自分でできることはやってもらうことが大切である。
2)個室以外の部屋では、他の利用者の存在にも注意を払う必要がある。
■トイレ、ポータブルトイレの排泄介助
1)関節リウマチの人は、補高便座を使用しよう
2)恥骨から肛門の方向に拭くのは、尿路感染症予防のためである。
3)日中はトイレを理容し、夜間はポータブルトイレを利用する人もいる。
4)移乗の際に、ポータブルトイレが動いたり、倒れたりしないよう、滑り止めマットを使用する。
5)姿勢は前かがみで、ひじ掛けを持つようにする。
6)ベッドからポータブルトイレの移乗の際に、スイングアーム介助バーを設置すると移動しやすい。
■尿器・差し込み便器」の排泄介助
1)利用者にベッドで排泄することをきちんと説明し、了解を得ることが大事である。
2)ベッドの上体を上げると、腹圧をかけやすくなり、直腸肛門角が鈍角になり排便しやすくなる。
3)男性の場合は、尿意が同時にあることを想定して、尿器も準備もしておく。
■おむつの排泄介助
1)安易にオムツを使用して、利用者の尊厳を傷つけないようにする。
2)おむつと腹部の間は指2本分程度の余裕を持たせ、鼠蹊部をきつく絞めすぎないようにする。
3)おむつ交換するときは、その旨を伝え、同意を得る。近くにほかの利用者がいる場合は、直接的な表現
 を避け、伝え方に配慮する。
4)おむつ交換の際には、皮膚の状態を確認することも大切である。
■便秘
1)排便反射(便が直腸に入った刺激によって、便意を促すこと)による便意を逃さずに、排便を習慣づける
2)腹部のマッサージは、腸の走行に合わせて、条項結腸・横行結腸・下行結腸の順に行う。
■下痢
1)下痢の原因:血が混じるなど、排せつ物の状態によっては、すぐに医師に診てもらう方が良い時もある。
2)下痢への対応:脱水予防のため、水分を補給する。白湯・又は常温のスポーツドリンクを摂取する。
           肛門周辺の皮膚は炎症を起こしやすくなているので強く拭かない。
■尿失禁・便失禁
1)導尿は医療行為のため、介護福祉職は行う事が出来ない。カテーテルの準備・体位保持の援助などを
  する。
2)間欠的(自己)導尿:神経疾患等により、排尿障害になったばあいに、1日数回、自己導尿を行い、尿
  を排出する方法。坐位で行えるように支援する。水分もしっかり摂ってもらうようにする。

理解度○×チェック
1・寝たきりの高齢者におむつを装着するときに、腹部とおむつとの間に指2本程度の余裕があるようにした。
  第25回ー53問     解答・〇
2・下痢が続いている要介護高齢者への対応として、水分摂取を控えた。
  第26回ー54問     解答・×     解説・脱水を起こす可能性がある
3・他の利用者がいる場合でも、「おむつを替えますよ」と直接的な表現で伝える。
  第27回ー53問     解答・×     解説・直接的な表現は避ける
4・自己導尿を行う場合は、坐位姿勢で行えるよう支援する。
  第28回ー54問     解答・〇

6-8自立に向けた家事の援助
■家事の意義と目的
①身体介護:食事・排泄・入浴等の介助  ADI(日常生活動作)
②生活援助:洗濯掃除・食事の準備調理などの家事援助  IADL(手段的日常生活動作)
        :生活援助には、利用者以外の家族に対する家事は含まれない。
        :暮らし方は人それぞれだから、画一的な家事支援では、利用者に受け入れられない。
■食生活と栄養素
1)食生活の変化:中食(市販の弁当総菜を家で食べる)・個食(個人個人が別々の料理を食べる)
  孤食(一人で食事を摂る)が増加している
2)五大栄養素:①炭水化物(糖質) ②脂質 ③蛋白質 ④無機質 ⑤ビタミン
3)食物として摂取したタンパク質が分解されてアミノ酸になる。
4)ミネラルは、不足しても摂りすぎても、身体によくない。
5)バランスのとれた食事を摂らないといけない。
■食材の調理 
1)利用者の状態に合わせて、食材を加工することも大切である。
2)適切な下処理をすると、よりおいしい料理になる。
3)米の調理:粥は水の量で、全粥(5倍)・七分がゆ(7倍)・五分がゆ(10倍)三分がゆ(20倍)
4)寒天よりもゼラチンの方が、とけたり固まったりする温度が低くなる。
■選択
1)ドライクリーニング:汗や血液などの水溶性の汚れは落ちにくいが、油性の汚れを落とし易い。
■家計と消費生活
1)高齢者の家計
 ①消費支出が可処分所得を上回っている.
 ②収入は、公的年金などの社会保障給付が多くを占めている。(高齢者の収支は赤字である)
2)悪徳商法・振り込み詐欺:利用者には、注文した覚えのない商品は受け取らずに断る。訪問して
  きた業者をむやみに家の中に入れないなどの助言をする。
3)クーリングオフ制度
 ①店舗で購入した場合は、クーリングオフ制度は適用されない。
 ②訪問販売等のクーリングオフ制度期間・・・8日

理解度○×チェック
1・ドライクリーニングは、主に水溶性の汚れを落とすのに適している。
  第26回ー56問     解答・×     解説・主に水溶性の汚れに適している
2・2013(平成25)年の「家計調査」(総務省統計局)における高齢単身無色世帯の会計収支を見
  ると、主な収入源は仕送りである。
  第27回ー57問     解答・×     解説・社会保障給付
3・訪問販売のクーリングオフ期間は、10日間である。
  第26回ー55問     解答・×     解説・法定書面の受領日から8日間
4・送り付け商法に対しては、注文した覚えのない商品は断り、受け取らないように助言する。
  第28回ー56問     解答・〇








 

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