コラム

 公開日: 2017-01-18 

こころとからだのしくみの領域 9・認知症の理解

9-1認知症ケアの歴史と理念
1)パーソンセンタードケア:認知症の帆との「その人らしさを」支えることを中心とする考えである。
2)認知症疾患医療センター:地域における認知症医療と介護の連携拠点として、都道府県および指定
                  都市から指定を受けた医療機関。
理解度○×チェック
1・パーソンセンタードケアの考え方は、認知症の人の「その人らしさ」を支えることである。
  第27回ー77問     解答・〇
2・認知症疾患医療センターは、地域の認知症医療の連携を強化する役割を持つ。
  第26回ー85問     解答・〇

9-2医学的側面から見た認知症の理解
■認知症による障害:認知症の症状は、中核症状と行動・心理症状(BPSD)に分かれる。
1)中核症状:認知症において、多少の差はあるものの、誰にでも認められる中心となる症状。
 ①記憶障害:記銘の障害(新しいことを覚えることが出来ない) 想起のの障害(記憶を思い出せない)
 ②見当識障害(失見当識):時間→場所→人の順に情報の理解する能力が失われること。
 ③失語・失行・失認
  ・失語:聞く・書く・読む機能が選択的に失われた状態。
  ・失行:目的に沿った適切な行動がとれなくなる。
      着衣失行:衣服を適切に着ることが出来ない。
      構成失行:図形がうまく書けない
      観念失行:「うがい」は何か理解できるが、うがいをすることが出来ない。
  ・失認:見たり聞いたりすることが正しく理解できなくなる。
      鏡像認知障害:鏡に映った自分が理解できない。
      視空間認知:物の位置関係が分からなくなる。
 ④失計算:簡単な計算力が低下し、基本的な数の概念が崩壊する。(お金の計算が出来なくなる)
 ⑤遂行(実行)機能障害:計画を立てて段取りをすることができなくなる。(料理の手順が分からなくなる)
2)もの忘れと軽度認知障害  頻出事項!「認知症の中核症状の具体例」
 ①もの忘れ:加齢に伴うもの忘れは体験の一部を忘れる。
        認知症のもの忘れ:体験全体を忘れる。エピソード記憶の障害といわれている。
  例:朝ごはんに何を食べたか忘れてしまうことと、朝ごはんを食べたこと自体を忘れてしまう事との違い。
 ②軽度認知障害(MCI):加齢に伴うもの忘れでも、短期間に急に多くなったり、心理テストで年齢相応の
  記憶低下を超える所見が出たりした場合には、認知症に発展する可能性が高い状態をいう。
3)行動・心理症状(BPSD)
 ①行動症状:徘徊、興奮などの行動異常、不潔行為、異食(食べ物以外の物を食べること)、うなり声等
   の行動に表れる症状。
 ②心理症状:不安感、不眠、抑うつ、幻覚、妄想などがある。
■認知症と間違えられやすい症状   頻出事項!「うつの症状」
1)うつ病とは:うつ気分、意欲の低下、頭痛、不眠、食欲不振などの身体症状が現れ、認知症に似た症状
 になる。長谷川式認知症スケールなどの得点も低下する。しかし、快復すると元に戻るので、仮性認知症
 として真の認知症とは区別されている。
2)せん妄とは:意識の混濁、錯覚、幻覚、幻想、不穏、興奮などを伴う意識障害である。夜間に起こる事が
 多く、夜間せん妄ともいう。薬の副作用でせん妄になることもある。
理解度○×チェック
1・エピソード記憶は、自分に起こった出来事や体験に関する記憶である。
  第23回ー41問     解答・〇
2・運動失調は、認知症の症状として通常みられるものである。
  第24回ー80問     解答・×     解説・通常みられない
3・「亡くなった人が立っている」という認知症の人に対して、介護福祉職は受容する。
  第27回ー37問     解答〇
4・せん妄では、意識レベルは清明である。
  第25回ー80問     解答・×     解説・意識の混濁が見られる

9-3認知症の代表的な原因疾患 頻出事項!「アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の違い」
        1)アルツハイマー型認知症              2)脳血管性認知症
 ①発症年齢/男女比   70歳以上の女性     60~70歳の男性
 ②自覚症状        なし              頭痛、めまい、物忘れなど
 ③経過           徐々に進行する       急激に進行することがある
 ④特徴           海馬が萎縮する       感情失禁(わずかな刺激で泣いたり笑ったりする)
                 病識がない          まだら認知症   
3)レビー小体型認知症  頻出事項!「レビー小体型認知症の特徴(パーキンソン症状、幻視など)」
4)前頭側頭型認知症(ピック病)
 ①特徴:前頭葉と側頭葉に限定して脳が萎縮する。万引き、不摂生な生活などで社会ルールが守れな
  くなり、人格変化が見られる。決まった食事しかとらないなどの決まりごとが良く見られる。
 ②治療:今のところ有効な治療法はない。
5)その他の疾患 頻出事項!「治療、改善が可能な認知症の原因疾患」
 ①甲状腺機能低下症(分泌・代謝性疾患)
 ②慢性アルコール中毒:ビタミンB1欠乏による認知症をウエルニッケ脳症と呼ぶ。
 ③正常圧水頭症:シャント手術(脳室に溜まった髄液を、腹腔などへ常に流れ込ませるために、カテーテ
  ル(管)を埋め込む手術)により改善が期待できる。早期発見すれば改善が可能である。
理解度○×チェック
1・レビー小体型認知症の症状として、具体的な幻視が現れる。
  第25回ー81問     解答・〇
2・成人の認知機能を評価する方法の中で、口頭での回答と図形の模写などで簡便に伝えるものとして、
  改訂長谷川式簡易知能評価スケールがある。
  第26回ー81問     解答・×     解説・MMSE
3・前頭側頭型認知症の人は、社会のルールや常識的な規範が分からなくなる。
  第27回ー83問     解答・〇
4・回想法は、毎回異なる場所で行うと効果的である。
  第28回ー77問     解答・×     解説・毎回同じ場所で行う
■認知症に伴う機能の変化と日常生活への影響  頻出事項!
  「認知症の人の心理的安定を図るための対応」
1)入所施設などでの居室の変更により、「自分の部屋ではない」と思い込み、「家にかえらなければならな
  い」という帰宅願望につながることもある。
2)認知症の人が入所や入院をするときには、トランスファーショック(環境が変化することによって受ける
  精神的なダメージのこと)を防ぐため、自宅から思い出の品や家具を持ってきて、落ち着ける空間に
  することが大切である。
理解度○×チェック
1・グループホームで食事前の挨拶を担当している利用者が、挨拶後、「こんなことはやらせないで」と理由
  もなく急に泣き出したのは、感情失禁の症状である。
  第28回ー84問     解答・〇
2・認知症の行動・心理症状(BPSD)として、目的もなくあちこち歩くのは、常同行動といわれている。
  第26回ー83問     解答・×     解説・徘徊である
3・認知症の行動・心理症状(BPSD)として、十分に眠ることが出来ないことが挙げられる。
  第27回ー81問     解答・〇
4・高齢の認知症の人の部屋の家具配置は、飽きの来ないように毎月変える。
  第25回ー85問     解答・×     解説・見当識障害による混乱に陥る可能性がある
■地域におけるサポート体制
1)認知症の早期診断・発見・専門医療 ②地域の見守り・支援等 ③相談 ④介護サービスが一体的
 に地域の中に構成されていることが望ましい。施策として、新オレンジプラン(2017(平成29)年度まで
 に認知症サポーターを800万人養成することを目標としている)・認知症総合支援事業などの対策が
 ある。「認知症ケアパス」(その人に応じた適切なサービス提供の流れ)が示されている。
2)認知症初期集中支援チーム:地域包括支援センターなどに配置され、認知症の初期段階に本人及び
 家族に関わる。リームには、看護師や作業療法士などが配置される。
■家族への支援
1)レスパイトケアとは:介護者を一時的に休憩(レスパイト)すうr時間を摂ること。デイサービス・ショートス
  テイが該当する。また、レスパイトケアは、虐待防止のためにも必要である。
理解度○×チェック
1・介護予防マネジメント業務は、地域包括支援センターの業務の一部である。
  第22回ー79問     解答・○   
2・認知症疾患医療センターは、地域の認知症医療の連携を強化する役割をもつ。
  第26回ー85問     解答・○
3・認知症の母親を介護するDさんが、介護職に誰にも愚痴を言えないと相談して来たので、家族介護者
  の会を紹介した。
  第26回ー86問     解答・○
4・認知症サポーターは、国が実施主体となって養成講座を行っている。
  第27回ー85問     解答・×     解説・自治体などが主体である

























        
       
 
         

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