コラム

 公開日: 2017-05-12  最終更新日: 2017-05-15

認知症ケアの実際Ⅰ:総論  認知症ケアの目標と認知症の人のQOL

【QOLの4つの領域】
◇ロートンは高齢者のQOLは以下の4つの領域から構成されているとした。
①活動能力・・・ADLや認知機能
②環境・・・居住空間や介護の質
③主観的QOL・・・高齢者自身を取り巻く主観的なQOL
④心理的ウエルビーイング・・・高齢者自身が感じる充実感、幸福感
①・②は客観的な手法で評価できるもの
③・④は主観的な手法で評価できるもの
◇認知症の人のQOLを評価する場合、認知症が高度になるにつれて主観的な評価が困難になるため、
 客観的な評価を含む領域を対象とせざるを得ない。
◇ラビンは認知症が軽度のうちは、自己評価と他者評価の間に大きな差は見られないとしている。
◇認知症が重度になれば、ケアは健康・安全に関する視点に重点を置く必要がある。

【認知症ケア・7つの視点】
①健康状態は良好か
②安全が守られているか
③その人の力が発揮できているか
④安全や健康は守られているか
⑤安心して心地よい生活ができているか
⑥その人らしく振舞えているか
⑦十分な支援体制が整っているか
◇認知症が高度になったり、医療的な対応が必要になったりすると、健康・安全の視点に重きをおくように
 なるが、認知症のどの段階においても尊厳は重視されるべきである。

【QOLを評価する尺度】
◇PAS:53の具体的な活動について、①取り組んだ頻度、②有効性、③過去・現在で楽しんでいるかと
 いう3つについて評価する。
◇PGCARS:評価者が患者と20分間の面接を行い、①楽しみ、②怒り、③不安・恐れ、④抑うつ・悲
 哀⑤関心、⑥満足の6項目について評価する。標準化された日本語版はまだ作成されていない。
◇PB/LQI:施設の認知症の人を対象とした尺度で、施設をラウンドしながら個々の認知症の人の評価
 点を算出し、フロアの平均を出すことで、介護の質を点数化することができる。
◇PDS:アルツハイマー型認知症によって、認知症の人のQOLがどのように影響されているか、介護者と
 面接をして介護者の受け止め方を評価する。

問題 001 認知症ケアの視点についての記述のうち、正しいものはどれか
a 軽度の認知症では標準的なケアが重視される
b 認知症が高度になると、健康や安全を重視した視点が重要になる
c 医療的な対応が重要なケースでは、尊厳の視点は軽視されても仕方ない
d 認知症の人が自分らしく振舞えるようなケアを行う事が重要である
e 認知症が軽度の場合でも十分な支援体制を整える必要がある
  選   択   1・a.b.c   2・a.b.e   3・b.d.e   4・a.d.e   5・c.d.e
  解   答   3
問題 002 認知症の人のQOLに関する記述のうち、正しいものはどれか
a ロートンが提唱したQOLの4つの領域のうち、心理的ウエルビーイングと活動能力は客観的な評価が
  可能である
b ロートンが提唱したQOLの4つの領域の一つであるかつどうのうりょくの領域には、ADLや認知機能な
  どが含まれる
c 認知症の進行に伴い、QOLの主観的評価は困難になる
d 認知症は経時的に悪化していくため、QOLは認知症ケアの長期目標にはそぐわない
e 軽度の認知症では、本人の評価と他者評価の間に大きな差は見られない
  選   択   1・a.b.c   2・a.b.e   3・b.d.e   4・b.c.d   5・c.d.e
  解   答   4
問題 003 高齢者のQOLについて正しいものはどれか
1・高齢者の4つの領域の1つは、ADL,認知機能、社会的な行動としての精神障害といった活動能力
  である。
2・高齢者のQOLの4つの領域の1つは、主観的に評価が可能な環境である
3・高齢者の客観的なQOLとして、心理的ウエルビーイングを挙げることができる
4・アウトカム評価の指標としてのQOLは、身体機能、精神機能の2つの領域から構成されているものが多い
5・健康関連QOL尺度として代表的なSF-36は、一般的な高齢者から高度のアルツハイマー型認知症
  高齢者までに応用できる
  解   答   1
問題 004 ロートンによる考え方に基づいているQOL尺度について正しいものはどれか
a 自己判断機能
b 精神機能
c 社会生活機能
d 身体機能
e 知的機能
  選   択   1・a.b.c   2・a.b.e   3・a.d.e   4・b.c.d   5・c.de
  解   答   4

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