コラム

 公開日: 2011-03-22  最終更新日: 2015-06-27

支援者のみなさんありがとうございました。無事届けてきました。


11日に起こった東北関東大震災。僕の奥さんが福島出身なので、13日、14日と新潟経由で食糧などを届けにいきました。うちが瓦屋さんということもあり、道具や材料なども持ち、屋根の修復工事なども兼ねて現地入りしましたが、14日に屋根の上で作業中に原発3号機が爆発との連絡を受け急きょ屋内退避。その後山梨に帰ってきました。夜9時に山梨着。現地にて友人達に召集の連絡を入れてあったので友人15人くらいが集まってくれていました。(BLUE IN GREENの仲間)2日間の報告と、現地の状況、早急な支援活動の必要性などを話し、みんなの協力のもとチェーンメール作戦を実施することにしました。チェーンメールはデマ情報やトラブルとして騒がれている現状ですが、知り合いにしか送らないことと、信憑性のある内容にすること、あとは別に詐欺でもなんでもないので個人の良心にまかせることとし、15日に送信と準備、16日から19日に受付、20日(おそくとも21日)に現地入りする方向で準備に取り掛かりました。

16日の初日、僕と渡辺で受け付けをしていたわけですが、「メールは多くの人に届いたんだろうか」「ほんとに来てくれるんだろうか」など不安はありました。でも、10時過ぎに小さな子供を連れた女性(三枝さん)が缶詰とカップラーメンを、そのあとすぐに僕の友人の橘田君がカップラーメンを届けてくれて、安堵とともにその不安はなくなりました。4日間の受け付けで多くの人が物資を届けてくれましたが、なかには物資のほかに僕たちに差し入れを持ってきてくれる方や、交通費の足しにとわずかでも寄付してくれる方もいました。本当にありがたかったです。

今回チェーンメールという一見怪しい情報手段を使い、多くの人たちに大変ご迷惑をおかけしました。疑った人、無視した人、目をそむけた人もいたかもしれません。ぼくたちとは違う場所、形で支援活動している方もたくさんいたと思います。ですが今回、自分の善意や、信念を持ち、そのスピードに対応する力を持ち、一見怪しい僕らの要請に正直に答えてくれた支援者数204人。この数多いと思いますか?少ないと思いますか?間違いないのは、たった1通のメールが204人の善意を呼んだということです。カップラーメンに関しては1429個集まりました。食料品など調達困難のなか、なんとか箱で買えたと持ってきてくれる方もいました。買占め問題があるなか、その方々も周囲から冷たい視線を浴び、嫌な思いをしたと思います。その204人の思いを、予定通り20日に被災地に届けてきました。



18日、19日に、仕分け、箱詰めを多くの友人に協力してもらい、現地(福島県田村市)が放射能の30キロ圏内付近にもかかわらず、5人の友人が物資運搬に名乗りを上げてくれました(自分と奥さん含め7人)。ハイエース3台、6人での輸送ということで、一人の友人には辞退してもらい車の提供だけお願いしました。
20日の朝7時に集合し、30分に出発。9時半に埼玉で奥さんの両親と合流。先導してもらい午後4時ごろ、福島県田村市大越行政局に到着。行政局長に父が事情を説明し、行政局長の了解と指示のもと近くの大越体育館避難所へ、ここには大熊町の原発による被災者の方々が避難していました。最初は380人くらいいたそうですが、放射能の屋内退避などで町を離れる人が多く、現在は100人くらいの方が残ってるそうです。そこから一番近い田村市体育館には現在でも1000人くらいの被災者の方々がいるそうです。大越行政の配慮により、大越体育館にひとまず物資をおろしてもらえたら、その後の配分は行政のほうで行ってくれるとのことでした。行政の方からは、「一つも無駄にすることなく使わせて頂きます」と言って頂きました。
体育館に着き、事情を説明すると、被災者の多くの方々が積極的に参加してくれ、バケツリレー方式で列を作り、次々と物資をおろしていきました。
毎日おにぎりの生活が続いていたらしく、カップラーメンの箱がおろされると、場内がどよめいていました。





現実に被災者の方々とその生活を目の当たりにし、言葉も出ず、かける言葉も見つからず、頑張ってくださいと言っていいのか、お疲れ様ですと言っていいのか、脳裏の片隅でヒーローを気取っていたバカな脳みそに思いっきり金槌で殴られたそんな間抜けた状態のなか、物資をおろし終わった被災者の方々は次々に体育館に戻っていきました。最後に大熊町の行政担当の方と話し、そこでも「頑張って下さい」という一言しか言えませんでした。6人とも同じ感覚だったと思います。


その日は両親の家に泊めてもらい、翌日21日に田村市体育館でスクリーニング(被爆検査)を行っているということで、検査を受けてきました。6人とも正常値ということで、証明書を出してもらい福島を出発。午後7時ころ山梨に到着しました。


今回自分が動いたなかで、ほんとに多くのことを考えさせられました。人との繋がりや、人間性、社会性、道徳観、執着心などなど。人に呼び掛けることも大事ですが、所詮は個人の気持ち次第です。「今、自分になにができるか」って言葉も聞き飽きました。なにをすることがほんとの正しさなのかよくわかりません。心から同情することが正しいことなのかもわかりません。ただこれだけは言えそうです。いつか今見てるテレビの被災者に自分がなる日が来るかもしれません。家族や、自分が生きてきた痕跡さえ失った被災者に、自分がなる日が来るかもしれません。もしその日が自分に訪れたとき、この震災で被災地に自分がした事や感じた感情以上のことを、平和に生きている人達に求めないでください。その人たちにも今の自分たちと同じように、現実を生きる権利はあるわけですから。それが最低限のルールだと思います。
まだまだ震災は終わっていません。復興もこれからです。これからも自分にできる範囲で自分なりに復興支援をしていきたいと思います。

今回協力してくれた多くの友人と、支援者の方々にはほんとに感謝しています。引き続きご協力よろしくお願いします。支援者、支援物資の詳細についてはまた報告します。

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