コラム

 公開日: 2011-05-05  最終更新日: 2014-06-04

福島県復興工事2

みなさんお疲れ様です!
GWはゆっくり過ごせましたでしょうか?
僕は久しぶりにサーフィンに行くことができてご機嫌でした。。。
波もなかなか良かったです。。。

さて、コラムでもお伝えしてきた通り、現在福島に復興工事に行っています。
前回のコラムでは第1週目ということでご報告いたしましたが、16日に山梨に一旦戻り
19日にまた福島に出発しました。福島に入ると、4月の終わりだというのに一面銀世界でした…。
その日、山梨では半袖で準備していたのに、数時間後には防寒着を着る羽目になるとは…。

4月の終わりに降った雪。原発を冷やしてください。

今回は3人体制ということもあり、工事もかなり進めることができました。
連休前に一軒終わらせるというノルマも達成でき、3連休も取ることができました。
僕は書類整理や事務などで1日だけの休みでしたが…。
とにかくこのような状況のなかでゆっくり休みがとれるというのはほんとに幸せなことだと改めて感じました。また数時間後には福島に戻りますが、その前に今回のコラムでは少し屋根の被害に突っ込んでお伝えしたいと思います。

仕上がった葺き直しの現場


今回復興工事に行ってみて、瓦屋根の現状をたくさん見ました。瓦屋根の被害は相当数あります。
阪神大震災に続き、また瓦屋根は否定的な立場に立たされるのかもしれません。
ですが、こんなときだからこそ現状をしっかり伝えるということも義務だと思います。
せっかくこのようなみなさんに情報発信する場を与えられているので、見てきた現状、得た情報など、瓦屋という偏った目線ではなく、屋根のプロとしてしっかり報告していきたいと思います。
(あくまで僕が知る限りの情報ですが…)


まず、被害が一番多いのは、やはり棟を積む和風の瓦の屋根です。地震により建物の上部がより強く揺すられて、棟部分が崩れるという現象が一番多く見られています。僕らの復興工事でも、棟の修復工事がメインとなっています。被害がひどい家では、地震による下からの突き上げにより棟以外の瓦(平部分)もめくられているという状態にありました。震度6強・弱というのはそうとうな揺れだったと推測できます。ただし、もちろんすべての和風瓦屋根の家が被害にあっているわけではありません。被害にあった家、そうではない家の違いは後で記述します。

逆に、洋風瓦の家や、コロニアルの家、板金屋根においては、そのほとんどが屋根の被害を受けているようには見受けられませんでした。これらにおいては、実際に屋根に上って調査しているわけではないので、皆無であるとは言い切れませんが、確実に被害は少ないと思われます。
コロニアル屋根や板金屋根については軽さが利点の屋根材です。ですが、洋風瓦の屋根においても被害が少なかったということは、今回の震災での屋根被害という点では、屋根の軽さよりも構造や施工法が鍵と言えそうです。
今回、屋根資材の違いはあるものの、地震により倒壊した家屋は目にしていません。
もちろんこれはあくまで、僕が見た限りのことです。もしかしたら、他の地域ではあるかもしれませんが、そのような情報も今のところ耳にはしていません。古い家もしっかり建っています。

前記した、被害の多かった和風瓦屋根の家。その被害の差について、ここで少し書いておきます。
山梨から福島に行くルートはいくつかありますが、長野、新潟、埼玉、群馬、栃木、茨城、では、屋根にブルーシートが掛けてある家を目撃しました。千葉や東北地方でも同じ状況だと聞いています。そのなかで不思議な光景も目にしました。被害を受けた家の、隣の家がなんともないという光景です。もちろん、立地や屋根資材等の条件は同じです。むしろ条件がよさそうなほうが被害にあっているケースも目にしました。福島でよく「地盤の固さ」という言葉を耳にします。もしかしたらこれが関係しているのでしょうか。確かに言われてみると、ある地域では被害は少なく、ある地域ではほとんどの家が被害にあっているという光景もよく目にします。
それに失礼な話ですが、かなり古くていかにもな感じの、おまけに和風瓦で高く棟積みしてある家。そんな家がそこらじゅうやられているのに被害もなく普通に建っている。そんな家も実際に存在します。この違いはなんなんでしょうか…。ほんとに不思議な現象です。
現実に「地盤の固さ」なるものが大きな鍵だということも言えるのかもしれません。

ですが、前記のお隣さんどうしの被害の差はなんなのでしょうか。
ご近所内で、自分の家だけ被害にあって、隣はなんともない…
どう考えても納得できないですよね?
その秘密はどうやら施工方法にあるようです。
今回復興工事一軒目の家ではそれが顕著に表れていました。
平部(桟瓦)に釘は1本も打たれておらず、棟に使うのし瓦も、通常は一枚を半分に割り、2枚を別々に使用しますが、1段目は割って、2段目は割らなかったり、のし瓦を固定する銅線が甘かったりと。一昔前の工事なので、手抜き工事とまで断言していいものか、悩むところではありますが、うちの工事と比べると、心配でしょうがない感じの屋根であることは間違いありません。
棟梁も「これじゃ崩れてくれっていってるようなもんだ」と呆れ顔でした。

もうひとつ施工方法が要因と言える事実があります。
それは現在、佐藤工務店さんが取引している瓦業者さんが施工した屋根のほとんどが地震の影響を受けていないということ。写真の現場は相当な被害でしたが、その家の向かいにある、その瓦業者さんがやった家はなんともなっていないのです。これは違う地域の他の物件でもほとんど同じ状態が見られました。ちなみに写真の現場を施工した瓦業者さんは、以前お付き合いしていた瓦業者さんとのことなのですが、その業者さんが施工した物件のかなりの数が被害を受けたみたいです…。
同じ震災でも施工業者と施工方法によってこれだけの差が生まれます…。

「施工方法」これも地震被害ではかなり大きな要因となると言ってよさそうです。
みなさんも、屋根にかかわらず、工事の際には技術のしっかりした信頼のおける業者さんを選んでくださいね。。。

そんなわけで出発の時間がせまってきてしまいましたので、続きはまた次回に。。。

それでは行ってきます。渋滞が心配です…。



すべての瓦を降ろして下地からの葺き直し工事。

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