コラム

 公開日: 2012-03-26  最終更新日: 2014-06-04

屋根の耐震補強工事 平部編

みなさんお疲れ様です!
まだまだ寒い季節が続いていますがみなさんいかがお過ごしでしょうか。。。

今回のコラムは、屋根の耐震補強工事についてです。

日本において瓦は1400年の歴史を持つわけですが、残念ながら一般住宅での耐震意識が高まったのは近年になってからです。ほんの15年から20年くらい前でさえ、瓦に釘を打って留めるという意識は低くかったように思います。
ちなみに今回のコラムでの話は、平瓦部分の話になります。平瓦部分とは、簡単にいうと、軒瓦の上の屋根面のことです。屋根面に一番多く並べられている瓦というと想像しやすいかもしれません。軒瓦やケラバ瓦(袖瓦)は今回含みませんのであしからず。

さて、昔は土を接着剤のようにして葺く、土葺き工法というものが主流でした。これは今でも古民家や、昔の土蔵などで見ることができます。しかし、土葺き工法は屋根全体を瓦と厚さ5センチほどの土が覆うために、屋根の重量がかさむという問題が生じます。現に、阪神大震災では、このような屋根で、しかも基礎や土台が弱い家屋が圧倒的被害を生みだしました。
土葺き工法のもう一つの問題は、年数の経過により、土の接着性が無くなるということです。もちろん土葺き工法は、土だけではなく銅線によっても瓦の固定はされていますが(3枚に1枚程度の割合)、銅線も永久的なものではありません。そうなると、土葺き工法で何十年も経過した屋根では、銅線に縛られた数枚の瓦頼みで、斜面の上にただ並べられているという状態になってしまいます。



しかし、土葺き工法も悪いことばかりではありません。屋根を土で覆うことにより、夏などは通常の瓦屋根よりも屋根裏が4度近く低くなるというデータも出ています。エコ住宅ですよね。
また現在の土葺き工法では、銅線吊りではなく、長い釘を使った耐震工法が用いられています。
土葺き工法は現在でも社寺仏閣建築に採用されることもありますし、西日本を中心に採用している地域もあります。

しかし、現在では、土葺き工法から、ひっかけ桟工法が主流となりました。これは、接着材として使われていた土の代わりに瓦のピッチで横棒を打ち、その横棒に瓦の裏に付いているツメのようなものが引っかかるようになったものです。これにより、土葺き工法でいうところの銅線吊りと同じ効果がすべての瓦に得られるようになりました。瓦自体が下にずれ落ちるという心配がなくなったわけです。しかし、この工法が採用されるようになってからしばらくの期間、ずれ落ちないという安心感と耐震工法が混同されてしまったように思われます。
平常時では安心のこの工法も、大型の直下型地震での下からの突き上げには抵抗できません。
突き上げられて浮かされてしまった瓦は…。



現在では、昨今の地震の教訓を生かして、ひっかけ桟工法プラス釘打ちになりました。
しかし、15年から20年以前の建物の屋根には平瓦を釘打ちしていないものが数多くあります。
去年の福島での復興工事で実際目にしてきましたが、平瓦に釘打ちしていない建物の屋根は、平瓦の落下などの被害に遭っています。逆に、釘打ちしてある屋根では、平面の被害は目にしませんでした。以前からお話している通り、同じ敷地内にある同じような建物であっても、被害に差が出るというのは、そのほとんどが築年数による施工方法の違いであると言えそうです。(むろん施工業者の差ということも考えられますが)。そのため、築年数が新しければ新しいほど被害の影響も少ないということも、今回の震災で感じました。

このような現状を目にし、弊社では、平瓦部分の簡易耐震補強工事を行っております。
この簡易補強工事は、ひっかけ桟工法により施工され、平瓦に釘留めしてない場合、一度平瓦を剥がし、3枚に1枚、もしくは2枚に1枚を釘留めします。
棟まわりや、壁まわりなど重量がかかり平瓦が外せない部分は行えませんが、平瓦部分の簡易補強としては十分だと思います。また、簡易補強工事のため工事日数も平均1日から2日で、工事代金も安価で行えます。築15年以上経過されている住宅にお住まいの皆様は一度点検依頼をしてみてください。





より安全な補強工事として、棟の耐震工事などもあります。こちらは次回のコラムでお知らせしますので、参考にしてみてください。
屋根の耐震工事も簡単なものから、大がかりなものまでさまざまですので、どんなことでもお気軽にご相談ください。

次回は棟の耐震工事についてです。
それではまた。
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